“社会復帰”だけじゃない。僕たちの“環境適応型就労支援”が目指すもの

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おはようございます。

MFIの仲宗根です。

さて。

「就労支援B型」と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか?
「社会復帰の場」「働くための訓練施設」…そんな印象を持つ方が多いのではないでしょうか。

もちろん、それらも間違いではありません。
でも、僕たちが目指しているのは、もっと違う景色です。

僕たちは「社会復帰」だけをゴールにするのではなく、
“その人がそのままで輝ける場所”をつくりたいと思っています。

それが、僕たちが提唱する“環境適応型就労支援”の理念です。

「できるようになること」よりも、「自分らしくいること」

従来の就労支援B型では、
「社会に適応するために、技術を身につけること」や「働けるようになること」が重視されがちです。

でも、僕たちは「環境に適応する」という視点を大切にしています。

なぜなら、人は誰もがそれぞれ違う個性やペースを持っているからです。

例えば、コミュニケーションが苦手な人に「もっと話す練習をしなさい」という指導をするよりも、
「話さなくても安心して過ごせる環境」を整えるほうが、その人らしく生きられるのではないでしょうか。

僕たちは、無理に「できるようにする」支援ではなく、
「そのままでいい」と思える環境づくりを目指しています。

「共感力」を育てる場所

僕たちの“環境適応型就労支援”では、特に「共感力」を大切にしています。

ただ「仕事を教える」「技術を身につける」だけでは、人間関係の問題や
心の負担を解消することは難しいからです。

人としての共感力を育て、コミュニケーションを円滑にすることで、
職場だけでなく、日常生活でも心地よく過ごせる力を身につけてほしいと思っています。

『人は一人じゃ生きていけない』なんて、どこかの名台詞みたいですが、
実際、誰かと支え合って生きることが、心の健康に大きく影響します。

だからこそ、僕たちは“人とのつながり”を大切にした支援を提供しています。

「応援される人」になるために

僕たちの理念の中で大事にしている言葉のひとつが、
「支援ではなく、応援をする」という考え方です。

「支援」というと、どうしても「支える側」と「支えられる側」という
上下関係のような構図が生まれやすくなります。

でも、「応援」は違います。

たとえば、スポーツの応援を思い浮かべてください。
選手に対して「がんばれ!」と声をかける時、応援する側も同じ目線で、
一緒に喜び、一緒に悔しがりますよね。

僕たちは、そんな“応援する姿勢”を大切にしたいのです。

誰かに「がんばれ」と声をかけたくなるような、
そんな人を育てることこそが、僕たちの目指す“就労支援”の形です。

「社会に出るための準備」ではなく、「社会の一部になる」

従来の就労支援では、「社会に出るための準備」を目的にすることが多いです。

でも、僕たちの“環境適応型就労支援”では、
「すでに社会の一部である」という前提でサポートを行います。

社会に出る「前」と「後」を分けてしまうと、
「今の自分は不完全だ」「まだ社会に出られない」と感じてしまう人が少なくありません。

しかし、実際には今この瞬間も、彼らは社会の一部であり、
その存在が周りに影響を与えているのです。

「社会に出るための訓練」ではなく、
「今、この場で社会の中で生きている」ことを実感してもらえるよう、
僕たちは“実践の場”を提供しています。

「できること」ではなく、「やりたいこと」を

僕たちが目指す支援は、単なる「技術習得」や「労働力の提供」ではなく、
「その人がやりたいこと」を実現するための応援です。

「やりたいことを見つけるのが難しい…」と思う方もいるかもしれません。

でも、それでいいのです。

「やりたいこと」が見つかるまで、何度でも試して、何度でも失敗して、
その中で「自分らしさ」を見つけていくことが大事だと考えています。

僕たちの施設では、さまざまな体験ができるように、
コーヒー屋さんの運営や、絵本制作、ものづくりなど、多彩なプログラムを用意しています。

その中で、少しでも「楽しい」と感じる瞬間があれば、それが「やりたいこと」への第一歩になるはずです。

「心の障害」が「個性」になる場所を目指して

僕たちは、「心の障害」を“弱点”として捉えるのではなく、
“個性”として活かせる場所をつくりたいと考えています。

そのために、「その人が無理なく自然体でいられる環境」を整え、
「やりたいこと」を見つけ、実現できる機会を提供することが大切だと思っています。

僕たちの“環境適応型就労支援”は、ただ「働けるようになる」ための場所ではなく、
「自分らしく生きる力」を育むための場所です。

誰もが「そのままでいい」と感じられる社会を目指して、これからも一歩一歩、前に進んでいきたいと思います。

以上。現場からでした。