おはようございます。
MFIの仲宗根です。今日は「努力のもとを取る心理」について、お話ししたいと思います。
さて。
『努力のモトを取る心理』というのは、精神疾患を抱える人やその支援者にとっても、実は重要なテーマです。
努力したことの「意味」を感じられるかどうかで、回復のモチベーションも、支援のやりがいも大きく変わるからです。
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人は『苦労』の“モト”をとろうとする
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例えば、うつ病を経験した人が「ここから抜け出すために、少しずつ生活を整えよう」と決意し、毎日散歩をすることにしたとします。
最初のうちは「本当に意味があるのかな?」と半信半疑かもしれません。
でも、1週間、2週間と続けるうちに「せっかくここまで頑張ったのだから、もう少し続けよう」という気持ちが芽生えてきます。
これが『努力のモトを取ろうとする心理』です。
自分が積み上げた努力があるからこそ、途中でやめるのがもったいなく感じる。
これは支援者側も同じです。
例えば、精神疾患を持つ人をサポートする立場の人は、相手に寄り添いながら「この人のためにできることを」と努力を続けます。
最初は「本当に自分のサポートで変わるのだろうか?」と不安に思うこともありますが、支援を続けるうちに「ここまで一緒に歩んできたのだから、もう少し頑張ってみよう」と思えるようになります。
「努力が報われるかどうか」は、実はそこまで関係なくて、「自分がどれだけそこに時間とエネルギーを費やしたか」が、その後の行動を決めるのです。
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『苦労の最適化』が必ずしも正解ではない
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最近は、何でもかんでも最適化する風潮があります。
でも、何でもかんでも効率化すればいいわけではありません。
例えば、精神疾患を持つ人が「社会復帰」を目標にしたときに、「とにかく早く職場に戻れるように」と焦って、効率だけを重視したリハビリを進めると、途中で心が折れることがあります。
本当は「ゆっくりでも、自分なりのペースで進んだ」という実感があったほうが、「せっかくここまでやったのだから、もう少しやってみよう」と思いやすくなるんです。
支援者側も同じです。
「とにかく最短ルートで支援しよう」とすると、本人の気持ちが置いてけぼりになり、結局うまくいかないことが多い。
でも、「この人のために時間をかけて寄り添ってきた」と思えたら、支援者自身も途中で投げ出しにくくなります。
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「努力のモトを取る心理」を味方につける
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努力のモトを取ろうとする心理を活かすには、「努力の過程を大切にする」ことが重要です。
精神疾患からの回復も、支援の現場も、結果だけを求めるのではなく、「ここまで頑張った自分」をちゃんと認めることが、次の一歩につながるのだと思います。
最近、僕が学んだことでした。
以上。現場からお伝えしました。