おはようございます。
仲宗根です。
今日は、やっぱり人間くささは必要だよ。と言う話をさせていただきます。
さて。
産業革命が、蒸気機関で「モノ」を動かした。
IT革命が、インターネットで「情報」を動かした。
そして、次に動かすべきは――「心」だと、僕は思ってます。
心が動けば、人は変わる。
心が動けば、町も、社会も、国も、変わる。
どれだけAIが進化しても、どれだけロボットが優秀になっても、
「誰かの心を本気で震わせる仕事」だけは、きっと人間にしかできません。
今、僕らの目の前にいる就労支援の利用者さんたちが、AIよりも優れていることが一つだけあるとすれば、
それは、“感情”です。
悔しがったり、笑ったり、泣いたり、怒ったり。
その全部に意味があって、その全部が、物語になる。
AIは無限に情報を処理できるけど、「悔しくて泣いた」なんてことは一生できない。
だけど、僕らは、できる。
「また来週がんばろう」と思える涙を流せる。
「一緒に働けて楽しかったです」と、笑顔で別れを告げられる。
この、“人間くささ”こそが、これからの時代を動かす希望です。
たとえば、AIには「友達と一緒に働けるって、幸せですね」なんてセリフは書けません。
でも、僕らは、それが言える。
そして、その言葉に涙を流せる。
就労支援の現場って、いわば「社会とのつながり」をもう一度デザインし直す場所です。
作業内容うんぬんよりも、「誰かと働くことの意味」や「社会の一員である実感」を持ってもらうことの方が、よっぽど重要だったりします。
だって、働くって、本来そういうものでしょ?
「ありがとう」と言われて嬉しかったり、
誰かと目を合わせて笑えたり、
自分の存在が必要とされてるって思えたり。
それがなかったら、どんなに給料が良くても、続けられない。
だから僕らは、“作業”じゃなくて“物語”を作るべきなんです。
「このシール貼りは、あのお店に並ぶ商品なんだよ」
「その商品を楽しみにしてる人がいるんだよ」
そうやって、日々の作業の向こう側に“誰かの顔”を思い浮かべてもらう。
「自分のやってることが、誰かの役に立ってる」って実感が、心を動かしてくれるんです。
これが、「人間にしかできない仕事」だと思うんです。
そしてもう一つ。
“人間くささ”は、「欠点」や「弱さ」とセットで現れる。
僕らが感動するのは、いつだって“完璧じゃない人間”の姿だったりします。
ミスをして、落ち込んで、でもそこから立ち直ってく姿。
できなかったことが、少しずつできるようになるプロセス。
そこに、ドラマが生まれる。
そこに、人が集まる。
そこに、応援が生まれる。
つまり、“人間くささ”って、最強のエンタメなんです。
これは就労支援の現場だけじゃなくて、どの仕事にも通ずることだと思います。
たとえば、飲食店の接客だってそう。
どんなにロボットが正確でも、「また来てくれたんですね!」って笑ってくれるスタッフがいたら、やっぱり嬉しい。
たとえば、タクシーだってそう。
運転がうまいAIより、「今日は雨ですね。寒くないですか?」って声かけてくれる運転手さんの方が、なんかホッとする。
人間くささは、機械には出せない“ぬくもり”です。
そして、これからの社会は、そのぬくもりを求めていると思うんです。
AIやテクノロジーが台頭すればするほど、
僕ら人間の“感情”や“人間くささ”が、逆に強みになる。
だからこそ、僕らは“人”を育て、“心”を動かす仕事をしなきゃいけない。
泣いてもいい。失敗してもいい。
でも、その過程を“物語”として捉えて、誇りを持てるように設計していく。
「働くことで、自分を好きになれた」
「誰かに“ありがとう”って言われて嬉しかった」
そんな経験が、一生の宝物になる。
革命の先頭に立つのは、きっと、そんな“人間くさい人”なんだと思います。