【その先を見ているか】

どうも。仲宗根です。
さて、今日はちょっとだけ踏み込んだ話をさせていただきます。

最近、「就労支援」という言葉をよく耳にするようになった。
しかも最近の就労支援事業所は、けっこうオシャレで、eスポーツだの、プログラミングだの、Illustrator & Photoshopだの……「それ、普通にスキルとして通用するやつやん!」みたいな内容も盛り込まれていたりする。

素晴らしいことだと思う。
本当に素晴らしいと思う。

だけど、その事業所は【その先】を見ているのか?

……という話です。

「就労支援」って、パッと見た感じだと、「ここで安心して過ごせればいいよね」って場所に見えるけど、本来は“社会への練習場”です。
ボールの蹴り方を教えるのもいいけど、「試合で勝つ方法」を教えてあげなきゃ意味がない。

その場所から旅立った後の人生が、どうやったら楽しく、豊かになっていくのか。
自立したその日から、どうやって世の中と繋がっていくのか。

そこまで見えていないと、「ただ居心地のいい場所」になってしまう。
もちろん、それも価値のあることだけど、「支援」という名前を掲げている以上、少し踏み込んだ話が必要なんじゃないかなって思うのです。

支援のゴールは「卒業」じゃなくて「活躍」だ。
その人が「自分の名前で勝負できるようになる」ことだ。

たとえばeスポーツ。
ゲームを通じて、集中力や反射神経、チームワークを学ぶのは素晴らしい。
でも、いざ社会に出た時に「その経験が活かせる場」まで考えてあげてるか?

プログラミングを教えるのもいい。
IllustratorやPhotoshopでデザインを学ばせるのもいい。
でも、「スキルを教えて終わり」じゃなくて、それを使って“お金を稼ぐ体験”や、“感謝される経験”まで作ってあげてるか?

ぼくたちは、花を育てているわけじゃない。
「その人の人生」を育ててるんだ。

だったら、今目の前にいるその人の“5年後”とか“10年後”とか…
もっと言えば、「その人が、いなくなった後に残るもの」まで考えておかないといけない。

支援のゴールは“目の前の安定”じゃなくて、“その人の物語のクライマックスをどう美しく描けるか”だ。

今日も就労支援事業所には、たくさんの「未完成な未来」が集まってくる。
ぼくたちは、その未来をどう料理するか。
「とりあえず今日も楽しく過ごせましたね〜」で終わらせるのか、
「ここに来たから、こんな未来が拓けました」と言わせるのか。

それは、支援者の「その先を見る目」にかかっている。

支援は“今”だけを支える仕事じゃない。
“未来”を支える仕事だ。

今日も、「その先」を見ながら、現場に立ちましょう。