おはようございます。
仲宗根です。
最近ね、「就労支援」について、いろんな人から意見をもらうんだけど、
どうやらみんな、口には出さないけれど、
ちょっとずつ “違和感” を感じ始めてるみたい。
何にかって?
「就労支援を利用している人たちは、どこへも移動できない」っていう構造に、だ。
僕たちが生きるこの社会って、基本的には“選択の自由”ってのがある。
「今のバイト、時給が安いから、別のとこ行こ」とか、
「この会社、土日休みじゃないから辞めたいな」とか。
それって全部、「横移動」ができるってこと。
場所や条件を変えられるっていう自由だね。
で、それだけじゃなくて、「縦移動」もある。
頑張れば、昇給がある。役職がつく。褒められる。
人によっては「勤続年数◯年おめでとう」なんて、
お金がもらえる会社もある。うらやましい。
でも——
就労支援B型の現場を見ていると、ここが違う。
利用者さんたちは、事業所を変えても“工賃”はほとんど変わらない。
どこに行っても、大差ない。
つまり、「横移動」が、できない。
そして、長く通い続けても、「昇給」もなければ「昇進」もない。
「◯年頑張ってくれてありがとう」って言葉はあっても、
その先の“何か”が用意されていないことが多い。
つまり、「縦移動」も、できない。
じゃあ、こんな環境で、人はどうやってモチベーションを保つのか?
むしろ、モチベーションって、どこに置いたらいいの?
…って話になる。
僕はね、ここがいちばん考えるべきポイントだと思っていて。
制度をどうこう言う前に、現場レベルで「デザイン」が必要だなって。
だってさ。
“進めないレース”って、想像しただけで、しんどいじゃない?
スタート地点から、一歩も動かないのに、
「もっと頑張ってよ」って言われても、そりゃムリだ。
だから僕たちがやるべきは、“移動”の手段をデザインすること。
たとえば、事業所の中での“役割”にステップをつける。
「今月は〇〇さんがリーダーです」とか、
「この人はこの作業を教える側に回ります」とか。
肩書きじゃなくても、“役割”に“意味”を持たせてあげる。
あるいは、“成長”や“挑戦”が見えるコンテンツを用意する。
「この作品、すごくよかったよ!展示会に出そうよ!」とか、
「ストリートファイターのトーナメント、次はチャンピオンを倒してみよう」とか。
そうやって、「自分、成長してるな」って思える構造を、
僕たち支援者が先に作っちゃう。
誰かが用意してくれるのを待つんじゃなくて、
自分たちで“移動の道”をつくる。
そうしないと、この世界は、
「縦にも横にも進めないステージ」に、なってしまう。
そして何より、忘れちゃいけないのは——
利用者さんが“進める喜び”を感じられると、
支援者である僕たちも、一緒に嬉しいってこと。
それって、ただの仕事を超えて、
“人生を一緒に作っていく”っていう、尊い時間になる。
就労支援というフィールドが、
「停滞」じゃなくて「冒険」になるように。
今日も、ひとつずつ、仕掛けていこう。
以上。現場からでした。