おはようございます。
MFIの仲宗根です。
さて。今日は、僕たちがつくりたい、これからの社会について。お話したいと思います。
「働きたいけど、不安…」
そんな気持ちを抱えている方、少なくないと思います。
特に、心の障害を持つ方や、これまで職場での人間関係に悩んだ経験がある方にとって、
「新しい職場に飛び込む」ことは、かなりの勇気が必要です。
でも、無理をして社会に“適応”することだけが、唯一の道ではありません。
僕たちの“環境適応型就労支援”では、
「あなたがあなたのままで、安心して働ける環境」を整えることを大切にしています。
■「合わない場所に合わせる」から「合う環境を見つける」へ
従来の就労支援では、
「社会に適応するための訓練」を行うことが一般的でした。
例えば、接客業のトレーニングをしたり、
集団作業に慣れるための訓練をしたり…。
もちろん、これらの訓練が役立つケースもあります。
でも、「人と話すのが苦手な人」に無理に接客をさせたり、
「一人で集中したい人」に集団作業を強制することは、逆にストレスを生むことも少なくありません。
僕たちは、「合わない場所に合わせる」のではなく、「その人に合った環境を見つける」ことを目指しています。
例えば、コミュニケーションが苦手な方には、
静かな作業スペースを提供したり、個別の作業を用意したりします。
一方で、話すことが好きな方には、お客様と接する機会を増やしたり、
イベントの司会をお願いしたりすることもあります。
「人はそれぞれ違う」という当たり前のことを大切にして、その人に合った働き方を一緒に見つけていきます。
■「失敗してもいい場所」だから、安心できる
「働く」となると、「失敗したらどうしよう…」という不安もつきものです。
特に、心の障害を持つ方は、過去の経験から「自分はダメだ…」と感じやすく、
一度のミスが大きな自己否定につながってしまうこともあります。
でも、僕たちの“環境適応型就労支援”では、失敗は当たり前のことだと考えています。
むしろ、「失敗するからこそ、学べることがある」という考え方です。
例えば、「不慣れな珈琲屋さん」では、コーヒーを淹れる練習をしてもらいますが、
初めからうまくできる人なんて、ほとんどいません。
コーヒーの分量を間違えたり、ミルクをこぼしてしまったり、
注文を間違えてしまったり…そんなことは日常茶飯事です。
でも、「大丈夫、次はこうしてみよう」と、スタッフや仲間が温かくフォローすることで、失敗が“成長のチャンス”に変わります。
僕たちは、失敗を責めるのではなく、
「次に活かせるヒント」を一緒に見つけていくことを大切にしています。
だからこそ、失敗を恐れずに挑戦できる、
そんな“安心感”を提供したいのです。
■「安心できる人間関係」が、働く勇気をくれる
「働くこと」の大きなハードルのひとつに、「人間関係」があります。
特に、過去に職場でのトラブルを経験した方や、
人と接することに不安を感じる方にとって、
新しい環境に飛び込むのはとても勇気のいることです。
僕たちの“環境適応型就労支援”では、
「共感力」を大切にしたコミュニケーションを心がけています。
例えば、普段から「相手の気持ちを想像する」ワークショップを行ったり、
「自分の気持ちを言葉にする練習」を取り入れたりしています。
また、スタッフは「支援者」ではなく「応援者」として、同じ目線で寄り添い、一緒に悩み、一緒に喜びます。
「一人じゃない」「誰かが見守ってくれている」
そんな安心感が、働く勇気につながるのです。
■「やりたいこと」を見つけるための“お試し”ができる
「働く」といっても、何をやりたいのか、どんな仕事が合っているのか、
それが分からない…という方も多いと思います。
特に、心の障害を持つ方は、自分の「得意」や「好きなこと」に気づく機会が
少なかったり、過去の失敗経験から「どうせ自分には無理だ…」と思ってしまったりします。
僕たちの支援施設では、「お試し」でいろいろなことに挑戦できる機会を提供しています。
例えば、コーヒー屋さんの運営体験、ものづくりワークショップ、
絵本制作への参加など、多彩なプログラムを用意しています。
「ちょっとやってみたら意外と楽しかった!」
「これなら自分にもできるかも!」
そんな小さな成功体験を積み重ねることで、
「やりたいこと」や「得意なこと」を見つけてもらいたいと考えています。
■「環境適応型」だからこそ、生まれる“安心感”
僕たちが目指す“環境適応型就労支援”は、
「あなたが社会に合わせる」のではなく、
「社会があなたに合うように環境を整える」という考え方です。
そのために、働く場所や仕事の内容、コミュニケーションの仕方まで、
一人ひとりに合わせた柔軟なサポートを提供しています。
「自分のペースで働ける」
「無理をしなくていい」
「困ったときに助けを求めやすい」
そんな“安心感”があるからこそ、
「働く」という一歩を踏み出す勇気が生まれるのだと思います。
僕たちは、すべての人が“自分らしく働ける社会”を目指して、これからも「応援」を続けていきます。
以上。現場からでした。